日本人の9割が知らない深すぎる絵本の世界|岡田達信×川嶋政輝

人気YouTubeチャンネル「むすび大学」より、絵本セラピストの岡田達信さんと、ナビゲーターの川嶋政輝による対談をお届けいたします。



川嶋:日本をかっこよく! 
むすび大学の川嶋政輝です。
本日のゲストは、絵本セラピスト協会代表の岡田達信さんに来ていただいてます。
よろしくお願いします。

岡田:よろしくお願いします。



川嶋:私の兄弟チャンネル、「神社チャンネル」にも出演いただきましてありがとうございます。
羽賀ヒカルとはもう結構長い付き合いですね。

岡田:最初の出会いは17年前ですもんね。

川嶋:わたしは、あの頃から裏方をしておりました。
羽賀さんとは同い年で20年以上の付き合いです。
岡田さんは「ゆにわ塾」にも入ってくださってるんですよね。

岡田:もうがっつり会員です。

川嶋:ずっとお会いしたいと思ってたんですけども、今日は初対面させていただきました。
絵本セラピスト協会が何をやってるのか、視聴者の方にもどういう活動なのかお話しいただけますか。


絵本セラピーとは?



岡田:絵本セラピスト協会は、絵本セラピーという考え方やワークショップを世の中に広めようという人たちの団体です。

絵本セラピーとは、絵本を読んでみんなで対話するワークショップなんですね。
なぜ絵本を使うのかは長くなるので、おいおい話しながらいきたいと思います。

川嶋:今日、初めて体験させていただきまして。
実は、うちのスタッフ4人で撮影前にお茶をして、お話ししてた時に、4人それぞれに絵本を持ってきてくださったんですよね。

その中の1冊が、あきやまただしさんの『いしをつんだおとこ』(ハッピーオウル社)だったんです。
薄い絵本ですぐ読めてしまうもので、私も頂いてその場で朗読させていただきました。



岡田:読み聞かせしたんですよね。

川嶋:人生初の読み聞かせでした。

岡田:上手でしたね。

川嶋:読みながらジーンと来てしまって。
たまたまもってきていただいた本が、自分へのメッセージになっているような。

シンプルな物語です。
なぜ人は働くのかとか、人生で思い通りにいかないことがある中で、自分の居場所や天命に気づく時ってどんな感覚なんだろうと。

読む方によって全然違うメッセージを受け取るものなんだと思うんですけど。
絵本から学びや気づきを得るってこういう感覚かと、初めて感じました。

岡田:32ページの中で、何を伝えるか。
どこを書いて、どこを書かないか。
子供に分かる言葉しか使えないので、シンプルに削ぎ落としたエッセンスです。

子供はそのまま受け取りますけど、大人は知識や経験、価値観を持ってるので、行間を埋める材料をたくさん持ってるんです。

川嶋さんの場合はそのような読み方だけど、他の人は違う読み方をする可能性があります。

川嶋:自分の中からメッセージが出てくる感覚ですね。
大人が読む時と子供が読む時では違うんですか?

岡田:違いますね。
子供はたとえばこの本を読んでも、「仕事ってそういうもんだよね」とは思わないでしょう。

川嶋:確かに。
逆に子供はどう感じるんだろう。

岡田:子供はそのまま、自分が主人公になって石を積んでるかもしれない。
あるいは、自分の年に近い子が途中で出てくるので、その子に感情移入するかも。

川嶋:お父さんの話として受け取るかもしれないですね。

今の時代に必要なことだって思ったのですが。
大人は言葉でがんじがらめになって、子供みたいに素直に受け取らないですよね。

「世の中はこういうものだ」とか、「生活のために必要だ」とか頭で教育されて、いつのまにか遊びを忘れてしまう。

人間は、遊びや楽しいという感覚は根源的な生命力に直結してると思うんです。
それが失われてる時代だからこそ、心の処方箋として絵本が必要だとおっしゃってるのかなと感じました。




絵本が呼び覚ます感性



川嶋:たっちゃんとしては、どういう思いから「心の処方箋」と伝えられてるんですか?

岡田:大人って絵本に慣れてない方は、「これは一体何を言いたいんだろう」「どういう意味があるんだろう」と理解しようとするんです。

感じることが置き去りになっていたり、あるいは、自分が感じてることすら分からなくなってる人が非常に多い気がします。

絵本は練習として適していると思います。
まず絵を見ますので、右脳的なものですよね。
大人も必ず誰かに読んでもらうのが大事です。

川嶋:誰かに読んでもらう?

岡田:文字を追うと理性が働いちゃうんですよね。
耳から物語を入れながら絵を読む。

それによって物語が頭の中で動いて、感じるものがある。
少し子供に近い読み方ができると思います。

ノンフィクション作家の柳田邦男先生が、「絵本は人生に3度」と提唱されています。

1回目は子供として読んでもらう立場。
2回目は大人として子供に読んであげる立場。
3度目は自分のために。

人生の後半戦に読むと深いよ、とおっしゃってて。
人生経験を重ねるほど体験や価値観が溜まる。
だから絵本も深く読めるようになる。
「こういうメッセージか」と。

川嶋:今日持ってきていただいた作品も、のめり込んで何回も振り返りたくなる味がありましたね。

岡田:講座に来てくださる方が「絵本って深いですね」と言われるんですけど、絵本が深いというより「あなたが深いんですよ」ってことなんです。

あなたの深さでしか読めないものですね。
子供は浅いわけではなく、人生経験がない分、純粋に楽しめる。
それはそれで羨ましい。
大人は大人で深く読める。

だから人生で3度、読めるのです。

川嶋:こころの純粋性みたいなものが出てくる感じがしました。

岡田:必ずしも純粋とか、いいものばかりが出てくるとは限らなくて。

川嶋:蓋をしていたトラウマ的なものですか?

岡田:たとえば、母親と上手くやってたつもりだけど、実は関係が悪かったと気づいたという方もいました。

川嶋:ある種の本音ですよね。

岡田:表面的にはうまくやってた。
自分の本当の気持ちを押し殺して。
何か嫌なことがあっても、これはこういう意味なんだって、自分で書き換えて塞いでたものが、いや、そうじゃなかったと、と。

なので絵本セラピーを受けた方からの感想はいろいろです。
気づく人もいれば、癒される人もいる、辛かったといって帰る人もいらっしゃいます。
でも、すべて同じ絵本の感想なんですよ。

川嶋:不思議ですよね。
絵本を読んでるだけなのに、それだけ内面を掘り返していく、というか、自分の中に深く潜っていくみたいな体験になるんですね。

岡田:わりと絵本って油断するんです。
かまえないんですよね。

川嶋:なんなら、見くびってしまいがちです。

岡田:それが視覚と聴覚からスポンと深いところまで入っていくことがあって。
溜めてたものにポコっと穴を開けてしまうこともあります。

川嶋:最近のアニメや漫画は絵と文字ですが、最近になるほど余白が少ないように感じるんです。
余白から物語を想像したりできますが。

今は、主人公の心情に自分を重ねる能力が昔より乏しくなっている。
だから、アニメでもすごく言葉が多くて説明チックというか。
でも、それに比べると絵本は余白がありますね。

岡田:なぜ絵本を使うのか、という説明をするときに、物語を語るメディアを「抽象度」という軸で並べることをよくやるんです。
具体的なものから、抽象的なものまで。

映画やアニメって「具体」なんですよ。
全部説明してくれるから。
アニメの原作は漫画が多いじゃないですか。
漫画は2次元だから自分で動かさなきゃいけない。

でも漫画がアニメ化された時に、必ずファンが文句を言う。

川嶋:イメージが違う、とか、声が違うとか。

岡田:あれは何が起きているか、というと、二次元の漫画の時は頭の中で想像できたものが、1個に固定されてしまうから。
想像力の入る余地がなくなっていくのが具体化ってことです。

抽象度を上げていくと、究極は俳句や短歌です。
17文字で世界を表します。

想像力の余地は大きいけど、土台となる知識がないと分からない。

「古池や蛙(かわず)飛び込む水の音」。



この俳句を団地住まいの小学生に理解できるかというと、、、

川嶋:情景が浮かばないですね。

岡田:古池って何? 
蛙って何?
彼らの体験にあるカエルが池に飛び込んで、ポチャンって音がしたんだよ、
だから何?って。

抽象度が高すぎるとそれを味わうための土台が必要になってくるんです。

絵本はちょうどいい塩梅だと思うんです。


『ぐりとぐら』という有名な絵本があります。



あのなかで登場人物紹介って1行しかないんですよ。

1作目の1行目、「のねずみのぐりとぐらは、」以上です。
何者か、どっちがどっちか、の説明もないんです。

でも子供はみんな絵を見れば分かるんです。

もし、言葉だけだったら全員が違うネズミを浮かべる。

でも絵があることで全員が一瞬で共有できる。
一瞬で受け取るしかない。

絵がガイドすることで抽象度が高いのに大体同じ物語を共有できるメディアだと思うんです。

川嶋:頂いた本もそうですけど、1ページ1ページが絵画みたいに美しさがあって。

抽象度が高いということは、シンプルだけど、ものすごい情報量が詰まってる。

岡田:子供はすごく絵を読みます。
大人が気づいてない所まで「あそこに、あんなの書いてあった」って。
だいたい読み聞かせしている親は気づかないんだけど。

絵本作家の方はそれをよく分かって書いている。



川嶋:年を重ねるほど、目の前のものをちゃんと見なくなるというか。
頭でばかり考えて目の前の人の表情とか変化も違うってことを見てなくて。
気づかずに過ごしてるってことがよくあるんですよね。

夕日は夕日、海は海、とか。

岡田:空は青、とか。

川嶋:カテゴリーにはめて、本当はカテゴリーに分類できない世界を見失ってるんじゃないかと感じました。
絵本を読むことで感性が復活してくるんですね。

岡田:絵本という言葉に対するイメージがみんな違って。
すごい、いろんなジャンルを含んでるんです。

アート、写真集、詩の本、赤ちゃん絵本、昔話、ナンセンス童話など、ジャンルがすごいあるんです。

川嶋:どれくらい読まれたんですか。

岡田:数万冊は読んでますね。今、持ってるのが3000冊。

川嶋:それぞれが唯一無二だとは思いますが。
忘れられない1冊はありますか?

岡田:ありますね。
言葉だけで説明するのは難しいですが。

『4こうねんのぼく』という絵本です。
関西弁で明るいトーンで、男の子の一人語りです。



『4こうねんのぼく』から学べること



岡田:

「あんな先生、ぼく宿題をやったんやけどな」
「今日はお父ちゃん給料日やったから、電話かかってきてな」
「星の観察やねんて言うたら、夜のピクニックしよかって」

「父ちゃん知ってるか? 1こうねんって光が1年かかって届く距離やねん」
「何百万光年離れた星から地球を見たら、何百万年前の恐竜が見えんねん」
「それやったら、4こうねん離れた星から地球の僕の家を見たら、きっとお母ちゃんが見えるな」
「おかあちゃんが洗濯物干してんのが見えるんやな」

「せやから僕、決心してん。えらい博士になってすごいロケット作んねん。
 それで4こうねん離れた星に行くんや」

川嶋:それ以上は語られないんですね?

岡田:お母さんがどうなったかは一切、書かれてないんです。
おそらく、亡くなったんだろうなということですよね。4年以内に。

川嶋:想像させるってこと。

岡田:どこがポイントかというと、
この子は、ずっとお母ちゃんのこと考えてたんだろうな、と。

でもこの瞬間に、未来に目が向いているんです。
僕は偉い博士になるって決心した。
きっと将来、賞をもらう時に、スピーチできっとお母ちゃんの話をするだろうなと。
お母ちゃんが死んだのは悲しかったけど、あれがあったから今があると感謝しますって。
そう言ってくれるんじゃないかなと思って。

短い32ページの中に収まっていて、かつ直接は書かれてないんです。

これ、まだ落ちがあるんです。

あっちこっちでこの絵本を読んでるのですが。

「4年以内にお母さん亡くなったんでしょうね」てことを話したら、ある時、目の前にいた男性が、
「あるいは離婚ですよね」と(笑)。

川嶋:ありえますよね。
子どもにとっては大事件ですから。

岡田:その人の職業が離婚調停専門の弁護士だったんです。
確かにその可能性は否定できない。
書いてないところはいいところですけども。

川嶋:全員が違う読み方ができるところから、
あらかじめある正解にたどり着くのが賢くなる教育と思われがちですけど。
そこからどういう未来につなぐストーリーを作るのかが、人間のやるべきクリエイティビティだとおもいますね。

岡田:絵本セラピーでは、その違いを面白がるのが基本スタンスです。

川嶋:どう感じたかの感情ベースでのコミュニケーションになります。
理屈の言い合いじゃなく、深い対話が生まれる。
いい時間ですね。

岡田:「僕はそう思った」という文法で語るので。
それが正解ではないし、当たり前でもないんです。

川嶋:たっちゃんはいろんな場所でセラピーをされていますが、8月15日は、「ゆにわ塾」の「うつしよ道場」というコミュニティでも、絵本を使ったライブイベントをしていただきます。

私とたっちゃんと、もう1人タロット占い師の花木えりな(花えり)と。
絵本とタロットって共通するところがあると感じました。

言葉と絵によって癒される時間をお届けできたらと思っています。

今回は心に響くお話をありがとうございました。


トークイベント
「本当の自分を思い出す〜絵と言葉の癒しの魔法〜」

https://info.hokkyoku-ryu.com/12487/


イベントの詳細・お申込みはこちら

>オンラインコミュニティ「ゆにわ塾」

オンラインコミュニティ「ゆにわ塾」

「ゆにわ塾」では、あなたの人生の指針(北極星)を見つけるため場を、「オンライン」と「リアル」の両方でご提供しています。 2011年に始まって以来、なんと10年以上も学び続けている会員さんも! それほどまでに深い「北極老人の教え」に、あなたも触れてみませんか?

CTR IMG