
今回は、コーヒー茶道(コーヒーセレモニー)をご紹介します。
エチオピアには、日本でいう「茶道」のようにもてなす、「コーヒーセレモニー」という文化があります。
「茶道」と聞くと、難しいイメージを持たれるかもしれませんが、今回ご紹介するのは、とてもシンプルでありながら奥深い方法です。
少しでもご興味を持っていただけましたら、ぜひこのまま読み進めてみてください。
一杯のコーヒーと向き合う時間
コーヒーセレモニーとは、簡単にいえば、一杯のコーヒーを通じて自分自身と向き合う〝儀式〟のようなものです。
これは、ゆにわのサウンドシステム『SIRIUS(シリウス)』の開発者であり、世界的な音響専門家でもあるY氏から教わった、コーヒーの新しい愉しみ方です。
歴史をさかのぼると、戦国時代の武将は、自ら淹れたお茶を飲んでその日のコンディションを判断し、心身を整えていたといわれています。
さらに、相手が点てたお茶を飲むことで、その人物が信頼に足るかどうかを見極めていた、とも。
コーヒーセレモニーは、そんな「茶の湯」の精神から着想を得ています。
とくに、一日の始まりである朝におこなうのがおすすめです。
コーヒーセレモニーのシンプルな作法
作法は、とてもシンプルです。
柄杓(ひしゃく)で湯をすくい、竹笏(たけしゃく)に沿わせるようにして、コーヒードリッパーへ静かに湯を注ぐだけ。
まずは、こちらの7分ほどの短い動画をご覧ください。
動画ではやり方を詳しく説明していますが、最初は細かいことを気にせずにおこなっていただいて大丈夫です。
この自由度の高さも、コーヒーセレモニーのひとつの魅力といえるでしょう。
必要な道具は、ゆにわマートでセット販売していますので、気になった方はこちらをご覧ください。
→コーヒーセレモニーセット
開発者Y氏との出会い
このように手軽に始められるコーヒーセレモニーですが、ここからは、その背景をもう少し掘り下げてみましょう。
このコーヒーセレモニーを教えてくださったのが、『SIRIUS(シリウス)』の開発者であるY氏だ、と冒頭で書きました。

じつは、このY氏との出会いのきっかけが「コーヒー」でした。
Y氏との深いご縁は、エチオピアのコーヒー豆から始まりました。
当時、『ゆにわマート』の店長だった万福たけしは、Y氏と共通の知人である仕入れ元の社長から「コーヒー豆に詳しい方がいるので紹介しますね」と聞いていました。
スタッフも、てっきり喫茶店の店主のような方がいらっしゃるのだろうと思っていたのですが、実際に来られたのは、予想とはまったく違う風貌の方でした。
その方こそが、Y氏だったのです。
むら染めの作務衣(さむえ)のようなものを着ておられ、とても喫茶店のオーナーには見えません。
すると、Y氏は「じつはわたしは、コーヒー豆を使った茶道、『コーヒーセレモニー』というものをおこなっている者です」と自己紹介されました。
戦国武将の茶の湯に宿る力
いまから約500年前、日本は戦乱の世でした。
権謀術数が渦巻く戦国社会において、自身の状態を測り、ひとの心理を見抜くことは、きわめて重要なことでした。
その社会で、武将の間にたしなまれていたのが「茶の湯」です。
これはけっして武将の趣味にとどまるものではなく、己の生死、ひいては国の命運を分かつものであったといいます。
「いま、自分の状態は万全か。打って出るべきか、ここは引くべきか」
茶を点てることを通して、自分自身の状態を見極めていたのです。
また、ひとが点てた茶を飲むときは、相手が信頼に足る人物かどうか、同盟を組んでもよいのか、それとも裏切りの策を内に秘めているのか、それを判断するための大切な儀式でもありました。
だからこそ、茶碗はひとの命よりも重く、ときには国と同じ価値があるとされることさえあったといわれています。
Y氏がおっしゃるには、たくさんの茶碗で調べたところ、戦国時代の茶碗にはその力が宿っているものの、不思議なことに、江戸時代の茶碗になるとその力は失われている、とのことでした。
「わたしは何とかして、この当時の茶碗が持つ力を現代に再現し、いまの生活スタイルに合った儀式を作れないかと考えました。試行錯誤の末、わたしが作った特別なスピーカーで音楽を聴かせた水で土を練り、焼き上げた茶碗には、その力があることが分かったのです」
それが、ゆにわマートで販売している、こちらの茶碗です。

Y氏は、こうもおっしゃっていました。
「わたしたちの日常生活から縁遠くなってしまった茶道の形式ではなく、現代の生活様式にも合うようにコーヒーを淹れることで、戦国時代の茶の湯に相当する儀式の形を考え出しました。それが、わたしの考える『コーヒーセレモニー』という儀式です」
セレモニーがもたらす心の変化
いかがでしたでしょうか。ご興味を持っていただけましたか?
わたしも実践していますが、コーヒーセレモニーをちゃんとおこなった日は、心が自然とととのい、不思議と「タイミング」がよくなっていくのを感じます。
日によっては、コーヒーの味や香りから、自分の心の状態をより繊細に感じとれるようになることもあります。
さらに詳しく知りたい方へ
じつは、過去に「コーヒーセレモニー」のイベントを開催したこともあります。
その様子は、こちらのコラムに書いていますので、よろしければご覧ください。

→「コーヒーセレモニーに行ってきました!」
より詳しい方法を知りたい方は、こちらの動画が参考になります。
それでは、今回はコーヒーセレモニーの魅力についてご紹介しました。
ぜひ、試してみてくださいね。