フランスの冬の定番「ショコラ・ショー(Chocolat chaud)」です。
フランス語で「温かいチョコレート」を意味するこの飲みもの。
それは、心までとろかすような至福のひとときを運んでくれる特別な存在です。
今回は、その魅力と歴史について、わたしたちと一緒に深めていきましょう。
ショコラ・ショーとココアの違いとは?
「ショコラ・ショーとココアは何が違うの?」と思われるかもしれませんね。
その大きな違いは、材料と濃厚さにあります。
一般的に「ココア」は、カカオパウダーをミルクなどで溶かして作ります。
一方でショコラ・ショーは、板チョコなどの固形チョコレートそのものを温かいミルクに溶かして作ります。
チョコレートに含まれる「ココアバター」という油脂分が溶け込むため、非常に濃厚でとろりとした口当たりになるのが特徴です。
飲みものというよりは、まるでデザートを楽しんでいるかのような満足感があります。
ホイップクリームやマシュマロを添えたり、シナモンなどのスパイスを加えたり。
その日の気分に合わせて、さまざまな楽しみ方ができるのも魅力の一つです。

映画のなかに見るショコラ・ショーの魔法
ショコラ・ショーは、数々の映画のなかで印象的な役割を果たしてきました。
『ショコラ』(2000年)

※アスミック・エース/松竹配給
ショコラ・ショーといえば、真っ先に思い浮かぶのがこの作品です。
ジュリエット・ビノッシュ演じる主人公が、村のひとたちに合わせてスパイスを加えた濃厚なショコラ・ショーを振る舞う場面は、とても象徴的です。
チョコレートが単なるお菓子ではなく、ひとびとの心を溶かし、元気づける魔法のような存在として描かれています。
そしてもう一つ、フランスだけでなく、日本でも大ヒットしたこの映画。
『アメリ』(2001年)

※アルバトロス・フィルム配給
フランスのカフェ文化が凝縮されたこの一作でも、ショコラ・ショーが物語に彩りを添えています。
季節の移ろいのなかで、アメリが働くカフェの日常を優しく包み込むように登場します。
王族や文化人に愛された「富の象徴」
かつてのヨーロッパにおいて、ショコラ・ショーは王族や貴族、文化人たちの間で「エネルギーの源」や「富の象徴」として深く愛されていました。
ヴェルサイユ宮廷の王妃たち
フランス王妃マリー・アントワネットは、大のチョコレート好きとして知られています。

彼女はウィーンから自分専用の「王妃専属チョコレート職人」を連れてきたほどです。
彼女が愛したレシピは、消化を助けるためにオレンジの粉末などを混ぜた、特別なものだったと言われています。
また、ルイ15世もチョコレートを非常に好み、自分のプライベートな部屋で自らショコラ・ショーを淹れることもあったそうです。

