ゆにわには自社農園があり、
系列の飲食店では、自分たちで育てたお米や野菜もつかっています。
今回は、その「ゆにわ農園」について紹介します。
<内容>
1、ゆにわ農園のはじまりは、ひとつの苗から
2、仲間が増えて、ゆにわ農業部が発足
3、ゆにわ農園のいま
4、ゆにわ農園がめざすもの
1、ゆにわ農園のはじまりは、ひとつの苗から

〝ゆにわ〟が手がける全ての食の根底には、お米をたいせつにする、という一貫した想いがあります。
「毎日食べても、ほんとうに美味しい」
「食べるだけで元気になる」
そんなお米を、いつか自分たちの手で育て、お店で出す料理にも使いたい。
その長年の願いが、ゆにわ農園の原点です。
2018年、ご縁のあった農家さんから苗を分けていただき、
ゆにわの創業メンバーが中心となって、初めてのお米作りがはじまりました。
しかし、借りることができたのは、長いあいだ放置され、木やツルが生い茂る田んぼ。
まずは田んぼとして使えるように、みんなで「しろかき(※)」からのスタートです。
(※土のかたまりを砕いてならす作業)
ふだんは『御食事ゆにわ』で料理をつくっているスタッフも駆けつけて、一気に進めていきました。

当時の様子です。大変な作業こそ〝お祭り〟にして、楽しく盛り上げていくのがゆにわ流。みんなでやれば一気に進みます。

「自然の力で育てたい」と土に炭を撒いたり、
「元気な微生物が育ちそうだから」と、
埼玉にあるその農家さんの田んぼの水をくませてもらい、じぶんたちの田んぼに撒いたりと、
考えうる限りの試行錯誤を重ねていきました。
地元の農家さんに協力していただき、トラクターの運転にもチャレンジ!

何もかもが初めての経験。
地元の方にも助けてもらいながら、なんとか稲穂は育っていきます。
しかし、数ヶ月が経ち、秋の収穫直前になって、なんとイノシシに田んぼを荒らされてしまい・・!
初めての収穫はわずか25kgほどでした。
自然を相手にすることの厳しさを、深く思い知らされた出来事となりましたが、
それでも諦めず、お米作りを続けてきたのです。

2、仲間が増えて、ゆにわ農業部が発足
2020年からは、お米だけでなく、畑での野菜作りもおこなうようになりました。
ゆにわが開催する講座やオンラインコミュニティを通じて、
「ゆにわで一緒に農業をやりたい」という心強い仲間が集まってきたのです。
いよいよ「ゆにわ農業部」のスタートです!

▲現在、ゆにわ農園のメインスタッフとして活動している、牛窪俊浩(写真左)、中山帝(写真中央)、佐藤友哉(写真右)
しかし、その道のりもまた、いろいろありました。
当時、ゆにわ農業部が借りることができたのは、10数年間、耕作が放棄されていた、山あいの段々畑・・!
背丈よりも高いススキが生い茂り、雨が降ればドロドロにぬかるみ、乾けばガチガチに固まる粘土質の土壌。
とても農業をはじめられる状態ではなく。
このときも、楠葉からたくさんのスタッフが応援に駆けつけて、
みんなで土を耕したり、水路をつくったり。
「まさに〝開拓民〟のような、心境だった」
とメンバーは当時を振り返ります。
3、ゆにわ農園のいま

ゆにわ農園では、自然のちからを最大限に生かすことをたいせつにしていて、
土によいとされる炭や鉄ミネラルのほか、微生物の力を活かす農法などさまざまな方法を柔軟に取り入れて、綾部の土地に合う農法を探求し続けています。
こちらは、微生物が元気に活動できる、ふかふかの畝(うね)。

メインのお米づくりは、現在、5反ほどの田んぼでお米ともち米を栽培中です。
(※1反の広さは、畳で換算すると612枚分です)

稲刈りは人手が必要なので、ゆにわのスタッフはもちろん、オンラインコミュニティ「ゆにわ塾」のお客様も一緒になって収穫しています。

また、わたしたちは日本の伝統的な御神事を大切にしていて、
ここ綾部でも、五穀豊穣を祈願して、早乙女たちが田んぼに苗を植える神事「御田植祭」を執りおこなっています。


御田植祭では、自社の神主による祝詞の奏上や、スタッフにより編成される雅楽隊の演奏、

そして、早乙女に扮した女性スタッフが、ひとつひとつ苗を手植えしていきます。

御神事として植え、育ててきた「まぼろし米」は『御食事ゆにわ』の特別なディナーで提供。

▲『御食事ゆにわ』の手巻き寿司ディナー
ディナーやランチの土鍋ごはんや「いのちのおむすび」にも、ゆにわ農園のお米を使っています。

そして畑では、じゃがいも、さつまいも、菊芋といった芋類を中心に、
ハーブや野菜など、季節の野菜をいろいろ育てています。
こちらはオクラ。

ハーブ類もいろいろ。

かぼちゃも元気に育っています。

じゃがいももゴロゴロと。

おいしいタイミングで収穫していきます。

収穫した野菜は、楠葉の『御食事ゆにわ』をはじめ、綾部で開催される2泊3日の特別なイベント『Bon VIVANT』などで、採れたての新鮮なうちに、お客様に味わっていただきます。


▲2025年3月のBon VIVANTにて
ちなみに、ゆにわマートで販売しているゆにわの梅干し「寿のしそ梅」は、綾部の畑で大切に育てた赤シソで漬けているんですよ。

▲シソの畑
これからも、この土地に合うものを探求し、つくる野菜の種類を増やしていく予定。
綾部でイベントがある時期に、畑でいろんな作物が収穫できるよう、種まきの時期など調整しながら進めています。
4、ゆにわ農園がめざすもの

▲2025年の田植えイベントにて
ゆにわ農園がある綾部地域では、後継者不足から、田んぼや畑が年々減りつつあります。
ですが、農業をするうえで、横のつながりはとてもたいせつです。
「みんなで力を合わせ、食を育んでいく、これからの農業の『ひな形』を、この場所から作りたい」
もっとたくさんの人が、気軽に農業に参加できるしくみをつくっていきたいと、農業部一同考えています。
綾部でイベントや合宿で訪れるお客様にも、畑で野菜を収穫してもらい、料理にして味わっていただくことも、理想のかたちのひとつです。
ゆにわ農園の日々活動は、こちら、ゆにわ総合サイトのコラムをはじめ、インスタグラムでも発信していきます。
ぜひご覧ください!
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