植物のエネルギーを"香り"で取り入れる
みなさん、こんにちは。
ゆにわマートのあんちゃです。
今回は、ゆにわで扱っているオリジナルのフレグランスについて、調香師の山田さんに語っていただきました。
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ゆにわでは香りをとても大事にしています。
ゆにわマートでもお線香をはじめ、さまざまな種類を取り扱っていますが、フレグランスに至っては60種類以上もあるのです。
店頭に並んでいるものだけでなく、限定品も含めるとそれだけの数になります。
なぜここまで香りを大事にしているのか。
それは、神社参拝との深い関わりがあります。
参拝の記憶を日常に呼び戻すために
ゆにわでは神社参拝セミナーを大切にしています。
参拝というのは、その日限りで終わりではありません。
参拝したときの空気感を、日常でいかに体現していくかがとても大事だとお伝えしています。
とはいえ、神社の空気をどうやって思い起こせばいいのでしょうか。
先月参拝した神社のことを、どうやって思い出せばいいのか。
きっかけがなければ難しいものです。
人間の記憶は五感で刻まれます。
目で見て覚える、耳で聞いて覚える。
一般的に、一番忘れやすい記憶は耳からの記憶だと言われています。
人の声というのは、案外忘れやすいのです。
では、五感の中で一番最後まで残る記憶は何でしょうか。
それは嗅覚です。
死ぬまで忘れない記憶は、香りの記憶なのです。
だからこそ、神社参拝ごとに香りを作らせていただいています。
その神社に行ったときの記憶を、香りとして残すためです。
日常に埋もれてしまう大切な記憶
参拝に行くまでには、いろいろな困難があります。
土日に参拝することが多いのですが、たまたま仕事が入っていたり、家族とイベントの予定があったり、金銭的な問題もあったり。
行きたいけれど、行くのは大変だなという状況もあるでしょう。
でも、そうやって頑張って行ったときの記憶も、毎日の日常の中で埋もれていきます。
気づけばもう年末か、というように。
あんなに苦労したことも、忘れてしまっている。
日常の中で大切なことを思い出すためには、一番忘れない嗅覚を使うのが効果的です。
香りをシュッとしたとき、この神社ではこういうふうに神様にお祈りしたな、こうやって生きていこうと思ったな、という志や熱い気持ちを思い出せます。
香りとして残していくこと。
それがわたしの主な仕事です。
空気感を香りで再現するという挑戦
ゆにわの香りのラインナップには、神社をモチーフにしたものや、神社で祀られている神様をイメージしたものがあります。
神社の空気感を香りで再現するというのは、なかなか珍しい試みです。
じつは、わたし自身もなぜこれができているのかよくわかりません。
特別に敏感というわけでもないのです。
わたしが初めて神社参拝に行ったのは、2011年の伊勢参拝でした。
14年前のことです。
当時の団体参拝は30人ぐらいの規模でした。
参拝された方がよくおっしゃる「心がすごく熱くなって、背骨がぐわっと」という感想を聞いても、わたしはポカーンとしていました。
背骨?という感じです。
そもそも神社に行くときの二礼二拍手一礼すら知らなかったぐらい、まったく無知だったのです。
初詣にはみんなが行くから行く、という程度。
申し訳ないのですが、神様のことをあまり信じていませんでした。
こんなに熱烈に祈るものなのか、何かを感じるものなのか、と衝撃を受けた記憶があります。
そんな状態から、いまでは空気を香りで表現する側になっています。
だから、神社参拝をしてもまだよくわからない、という方がいらっしゃっても心配はいりません。
コップの水があふれるように、だんだんとエネルギーが溜まっていきます。
ふとした瞬間に、日常的に感じるようになるものです。
香りが聞こえてくる瞬間
たまに言われることがあります。
別の日に神社参拝に行ったとき、あの香りが聞こえてきた、香ってきた、と。
もちろん周りには誰もいない。
自分も香りをつけていない。
それなのに、神社でご挨拶したときにふと香りがした、というのです。
また、参拝前のセミナーで香りをお持ちいただくのですが、誰も周りにいないのにその香りがした、という方もいらっしゃいます。
空気というのは無色透明です。
だから感じることがとても難しい。
香りという色をつけることで、感じやすくなります。
それがきっかけとなって、その人が感じやすくなればいいなと思って調香しています。
嗅覚と直感の深いつながり
いい香りを嗅いでいくうちに、この場所はすごいリラックスできるな、ということがわかるようになります。
別にそんなに匂うわけではないのですが、鼻の通りがいい、鼻から抜けていく空気感がいい、という感覚です。
五感の中でも嗅覚というのは、とても敏感で優秀なのです。
「鼻が効く」というように、直感や閃きは嗅覚で表現されます。
「あいつ、うさん臭いな」「あいつ、臭うな」「事件の匂いがする」「お金の匂いがする」と言ったりしますよね。
でも、じっさいにお金には紙の匂いがするぐらいで、そういう意味ではありません。
「あいつと俺、同じ匂いがする」というのも、香水が一緒だという話ではなく、同士という意味です。
信じられる人は「いい匂い」、信じられない人は「うさん臭い」「きな臭い」。
このように、嗅覚を使った慣用句はとても多いのです。
直感と嗅覚は、深くつながっています。
植物の天然精油を使う理由
ゆにわの香りは、植物の天然精油から調香しています。
現代では植物と触れる機会がめっきり少なくなっています。
自然な香りを嗅ぎ続けることで、嗅覚が鍛えられていきます。
そうすると鼻の通りがよくなり、うさん臭いものやきな臭いものがわかるようになってくるのです。
天然の植物の精油を使っているから、植物のエネルギーをいただく感覚があります。
つけるだけで元気になっていく、という実感です。
植物のすごさというのは、なかなかわかりにくいものです。
咲いているなと気づくだけでも違うとは思いますが、天然の精油をシュッとすることで、見えない部分でエネルギーをもらっている感覚があります。
植物に助けられているという実感です。
もし植物が人類を嫌って光合成をやめたら、人間は一気に死んでしまいます。
息ができなくなるからです。
植物がいるからこそ、この自然界は回っています。
酸素を供給してくれる唯一の存在が植物なのです。
目に見えないものを感じる力
空気は目に見えません。
でも、病気、景気、元気、すべてに「気」がつきます。
この「気」というもので、景気も作られるし、病気も作られる、元気も作られます。
その気の原点となる空気を作っているのが植物です。
香りも空気ですから、目に見えないものを感じていくと、逆に目に見えるものが鮮明になってきます。
たとえば、あの人すごく怒っているなと気づいたとき。
目に見えることだけなら「いつも機嫌が悪いな」で終わります。
でも、なぜ機嫌が悪いのか、何か不幸があったのか、自暴自棄になるようなことがあったのか、と思いを馳せて見るのか。
それとも、見た目だけで判断して終わらせるのか。
取れる情報量がまったく変わってきます。
わたしの役割は、植物の力を通して嗅覚で体を元気にすることです。
ゆにわでは野菜や果物という植物を口から食べて元気にしますが、わたしは香りという側面から活動しています。
呼吸のありがたみを感じる
当たり前のように呼吸して生活していると、そのありがたみを感じません。
でも、吸っている空気すら植物が生み出してくれているものだと思ったら、呼吸しているこの瞬間にもありがたみを感じます。
人間はただ存在しているだけでは生きていけません。
植物が地球の土台を支えてくれている。
すべての生態系の呼吸を担ってくれている。
本当にその根幹を支えてくれているのです。
植物は喋るわけでもないし、感情表現するわけでもありません。
でも、献身的に支えてもらっていると感じると、すごくありがたい気持ちになります。
香りを使うたびに、おかげさまで自分は生きているな、と思い出せます。
傲慢になりようがないな、と感じるのです。
香りの調香という仕事
神社参拝セミナーでは、参拝する神社の空気感をイメージして調香します。
参拝する神社に行ったことがない場合も多いのです。
当日みなさんと一緒に行くので、遠い場合は事前に訪れることができません。
そういうときは、便利な世の中なので画像を検索します。
鳥居、手水舎、山道、奥宮まで、いろいろな写真が出てきます。
それを片っ端から見ながら、調香部屋でイメージするのです。
自分が手水をして、鳥居をくぐって、山道を上がって、神様の前でお礼をする。
そうやってイメージしながら、時間と空間の軸を変えます。
神社は別の場所にあり、調香部屋は楠葉にある。
位置が違います。
でも、香りというのは時間と空間を自由に行き来できるものだと思っています。
空間軸を調香部屋に持ってきて、ここが神社だとイメージする。
そして未来の時間軸、みんなで参拝している瞬間をイメージします。
師匠とともに200人がぶわっと行くような、熱い瞬間を。
その時間軸と空間軸を合わせた点を調香部屋に置き、降りてくる空気感を調香するのです。
祈りと香りの関係
もし香りが降りてこないときは、祈りが足りないということです。
準備不足だというメッセージだと受け止めて、もう一回お祈りをします。
祈りが極まったら絶対に降りると信じています。
極まると、キーとなる精油が見えてきます。
香りのキーとなる精油を見つけるのが、一番エネルギーが必要なところです。
たとえば「ヨロズツクリヌシ」の香りの場合、キーとなったのはインディゴという藍でした。
海の神様なので、藍の海をイメージしました。
海の色を何の精油で表現するか、無限の選択肢があります。
思いを馳せたときにパーッと香りが降りてきて、その香りは何だろうと考えたらインディゴだった。
そこから組み立てていくのです。
本当にイメージ、見立ての世界です。
わたしがその空気を見立てないと、使うお客様がその空気を感じることはできません。
だから、まずわたしが100%信じている。
精油たち、植物がその空気を知っていると信じて疑わない。
そうやって調香しています。
後からやってくる符合の奇跡
符合は後付けでやってきます。
「ヨロズツクリヌシ」にはシソの香りが入っています。
海だから、少しシソっぽい塩っぽい香りが欲しいなと思って、赤ジソ・青ジソのシソを入れました。
今回、この神社のチャームとしてネックレスタイプを販売しています。
ハイパーシーンとアクアマリンという石がついています。
ハイパーシーンの和名は「紫蘇輝石(しそきせき)」。
シソの輝く石、と書きます。
これは知らなかったのです。
ハイパーシーンがいいと言ったのは、ゆにわの小川でした。
石に詳しいので、彼女がハイパーシーンを選んだのです。
わたしはそうなんですか、と思っただけでした。
でも、入れてみたら石と香りの精油がマッチしていた。
こういう符合は、後付けでよく起こります。
最初から仕組んでしまうと、奇跡が起きません。
符合があるから「これでよかったんだ」という答え合わせは後からするもの。
だから、なぜわたしがこれを選んでいるのかわからないぐらいがちょうどいいと思っています。
偶然性が必ず出ると信じています。
みなさんもそう思いながら使っていただくと、その中に入っている情報、奇跡を感じられるのではないでしょうか。
見立ての力で、まったく違ってきますよ。
香りの使い方いろいろ
香りの使い方として、体や手首につけるのが一般的ですが、ゆにわでは空間にシュッと一吹きしたりもします。
いろいろな使い方があります。
おすすめの使い方を二つご紹介します。
一つ目は、お風呂での使い方です。
- 洗面器にお湯を張る
- 香水を2〜3プッシュする
- 左回転(反時計回り)で回す
- 頭からバシャーとかける
全身に香りを纏うことができます。
お風呂に入るのは寝る前が多いでしょう。
自分のネガティブな感情や、できなかったことを香りで消化していく。
お風呂場もいい香りに包まれ、その状態で湯船に入ると幸せな気持ちになります。
気分転換に違う香りを試してみるのもいいですね。
二つ目は、お塩を使った方法です。
- お塩を250グラムほど用意する
- 深めの小皿に入れる
- 香水を2〜3プッシュして軽く混ぜる
- そのままベッドサイドに置いてもいい
- おすすめは、少し取ってスクラブのように肌に乗せ、軽く洗い流す
お塩でツルツルになります。
疲れたときは、そのお塩を丸ごと湯船に入れて塩浴にするのもいいでしょう。
なぜこれがいいかというと、お水とお塩は神様に捧げるものだからです。
神棚にもお供えしますよね。
神社の香水なので、神様に捧げる水やお塩との相性がいいのです。
間接的に取り入れることで、より汎用性が広がります。
香水の開け方で香りが変わる
最近知ったことなのですが、蓋の開け方一つで香り方が変わります。
キャップを持って、ゆっくりと開ける。
ゆっくり開けるというのは、物は自分の写し鏡だからです。
バーンと置くということは、自分自身もないがしろにしているということ。
音に気をつけなさい、バタンと閉めるな、とよく言われています。
物の扱い方と自分の扱い方は、似てしまうのです。
神社の香りなので、神社の空気だなと思いながら開けてください。
そして少し離して、1プッシュ目を出します。
1プッシュ目はここに溜まっている空気と触れていることが多いので、本番は2プッシュ目です。
密閉しているわけではないので、1プッシュ目は少し酸化しています。
2プッシュ目がすごくいい香りになるのです。
これだけで香りの広がり方が変わってきます。
ぜひ試してみてください。
手を大切にするということ
スクラブで手をケアするのもおすすめです。
年齢を重ねると、いろいろなところに肌のサインが出てきます。
首元や手は顕著です。
何をするにも手を使います。
料理も手、パソコン作業も手、スライドを作るのも手。
体の部分で一番自分が見ているのは、案外手だったりします。
手を綺麗にしてあげると、セルフイメージが上がってきます。
逆に自分を大切にしないでいると、だんだん手に現れてきます。
どれだけ大事にしているかということの表れが、手に出るのです。
そういう気持ちで自分の手をケアしていたら、その人が作る料理がすごくおいしくなったり、書くメールマガジンがすごくいいものになったりするのではないでしょうか。
手の機能が上がる、勝手に手が進む、という感覚です。
手が喜びで包まれて、筆が進む。
そんなふうになっていくのかなと思います。
指先は敏感な部分です。
日頃のセルフケア、オイルを使ったりスクラブをしたりすることは、大事かもしれませんね。
香りを使うことで、日常の中に神社の空気感を呼び戻すことができます。
植物のエネルギーをいただきながら、呼吸のありがたみを感じながら。
ぜひ、香りとともに過ごす日々を楽しんでいただければと思います。
神社の香りラインナップはこちらから>>