このコラムでは、文章でも内容を楽しんでいただけます。
はじめに
川嶋:
「日本をかっこよく」をテーマに掲げるむすび大学の川嶋政輝です。本日は、わたしたちの仲間である佐藤想一郎さんと一緒にお届けいたします。
佐藤:
よろしくお願いいたします。

川嶋:
わたしたちは「ゆにわ」というグループで活動していますが、もともとは大阪府枚方市楠葉(くずは)にて、大学受験塾を営んでいた北極老人(ほっきょくろうじん)という先生のもとに集まった仲間たちで運営しています。
まずは簡単に自己紹介をお願いできますか。
佐藤:
はい。普段は「ゆにわマート」というオンラインショップの運営などを担当しております。過去にはバーテンダーやレストランでの勤務経験があり、じつはマジシャンとして活動していた時期もありました。
川嶋:
経歴が多彩ですよね。スピリチュアル・カウンセラーのような活動もされていたとか。
佐藤:
そうですね。セミナー講師をしていた時期もありました。こうして並べると、少し怪しい経歴に見えるかもしれませんね(笑)。
川嶋:
いえいえ、今日はそんな佐藤さんと共に、特別な場所からお届けしています。ここはわたしたちの師匠である北極老人のプライベートカフェです。
背後には荘厳なオーディオ機器が並んでいますが、ここでは美味しいお酒と共に極上の音色に浸り、意識が別世界へ旅立つような特別な時間を過ごすことができます。
今回はこの空間から、「ワイン」をテーマにお話ししていきたいと思います。
聖書とワイン:文明の起源アルメニア
川嶋:
ワインは歴史が古く、日本人には馴染みが薄いと感じる方もいらっしゃるかもしれません。まずはその歴史的背景や教養的な部分から紐解いていきましょう。
ワインの発祥は、メソポタミアやエジプト文明の時代、およそ6000年から7000年前にまで遡るといわれています。偶然ブドウが発酵してできた飲み物が始まりとされ、旧約聖書や『ギルガメシュ叙事詩』にも登場しますね。
佐藤:
そうですね。歴史の深さはワインの大きな魅力のひとつです。
川嶋:
特に有名なのは、イエス・キリストが「最期の晩餐」でワインを「自らの血」に見立てて振る舞った逸話でしょう。
じつは今日ご用意したワインは、そうした歴史の源流に深く関わる特別な一本です。佐藤さん、これはどこのワインでしょうか。
佐藤:
こちらは「アルメニア共和国」のワインです。
川嶋:
アルメニアというと、フランスやイタリアといったワイン大国と比べると、あまり馴染みがないかもしれませんね。
佐藤:
そうですね。アルメニアはカスピ海と黒海の間、コーカサス地方に位置し、中東・ヨーロッパ・アジアの文化が交錯する場所です。

じつはこのアルメニアから、世界最古とされるワイン醸造所の遺跡が発見されています。近年になり、ワイン発祥の地として改めて注目されているのです。
川嶋:
なるほど。聖書の舞台であるイスラエル周辺とも歴史的な繋がりを感じますね。
そして、このワインが作られているのが「アララト山」の麓だと伺いました。ここは『ノアの方舟』伝説の舞台でもありますよね。
佐藤:
はい。大洪水を逃れたノアの方舟が、最終的に漂着したとされるのがアララト山の山頂付近だといわれています。
この山は、見た目が日本の富士山に非常によく似ているんですよ。独立峰のような美しい稜線を持ち、山頂には雪を抱いています。現地では信仰の対象として崇められており、その点でも富士山との共通点を感じます。

川嶋:
ノアの方舟伝説は、神への信仰を失った人類が大洪水の審判を受けるなか、信仰深きノアだけが啓示を受けて方舟を造り、難を逃れるという物語ですね。方舟から放った鳥がオリーブの枝をくわえて戻ってきたことで、水が引き、大地が復活したことを知る。その着地点が、このワインの故郷であるアララト山なのです。
固有品種「アルリアワイン」の味わい
佐藤:
では、実際にテイスティングしてみましょう。このワインは、一般的な国際品種(カベルネ・ソーヴィニヨンやメルローなど)とは異なり、アルメニア固有の品種で作られています。
川嶋:
香りがすばらしいですね。まさに別次元です。

……美味しい。正直なところ、わたしはこれまでワインにそれほど詳しいわけではなかったのですが、これは明らかに普段口にするワインとはベクトルが違います。
佐藤:
そうなんです。この「アルリアワイン」は、マイナス40度にもなる厳しい自然環境に耐え抜いた、力強い土着のブドウから作られています。
現代の多くのワインは、味を安定させるために品種改良や調整がおこなわれますが、このワインは自然のエネルギーがそのまま凝縮されているような印象です。
川嶋:
エネルギーの塊のような濃厚さがありながら、悪酔いしない不思議な感覚があります。
このワインは、どのような経緯で入手されたのですか?
佐藤:
じつは、北極老人のご友人で、世界的なオーディオの専門家でもあるY氏が発掘されたものです。
Y氏がロシアのソムリエクラブを訪れた際、「じつはあまり教えたくないのだが」と裏から出されたのが、このワインだったそうです。当時は日本への輸入ルートがなかったため、Y氏は北極老人のために資格を取得し、2年がかりでルートを開拓して輸入を実現されました。
川嶋:
それはすごい執念ですね。日本ではほぼ手に入らない、希少なワインというわけですか。
「見立て」が生む精神の変容
川嶋:
さて、先ほどイエス・キリストの話が出ましたが、ここで少し踏み込んだ話をしましょう。
イエスは「最期の晩餐」で、ワインを血に、パンを肉に見立てました。この「見立て」こそが、物質的な飲食を精神的な修行へと昇華させる鍵だと、わたしは考えています。
佐藤:
「見立て」ですか。
川嶋:
はい。当時、ヨハネの一団などは、錬金術や特殊な儀式を通じて神との合一を目指していました。しかしイエスは、もっとも身近な「食」を通じて、神聖なものと繋がる道を説いたのです。
単に味覚を楽しむだけでなく、ワインやパンを神聖なものとして捉え、感謝していただく。これは、日本人がおせち料理に縁起を担いだり、食事の前に手を合わせたりする感覚と非常によく似ています。
佐藤:
たしかに、日本人の感性に通じるものがありますね。
このアルリアワインの生産者たちも、神話の時代から続く伝統を受け継いでいるという誇りを持ち、祈るような気持ちでワイン造りに向き合っていると聞きます。心が乱れているときは、ワインの甕(かめ)に近づいてはいけないという掟もあるそうです。
川嶋:
まるで日本の酒造りにおける杜氏(とうじ)のようですね。
微生物は人間の意識や信仰心に感応するといいます。祈りや信仰が込められたワインを飲むとき、わたしたちの意識もまた、日常の雑事から離れ、より高い次元へと引き上げられるのではないでしょうか。
日常における「ワイン瞑想」のすすめ
川嶋:
視聴者の方から「自宅で飲むときは何を意識すればよいですか?」という質問をいただきました。
おすすめしたいのは「ワイン瞑想」です。
佐藤:
ワイン瞑想、よいですね。
川嶋:
ただ漫然と飲むのではなく、想像力を働かせるのです。
この一杯のワインの背景にある、数千年の歴史、ノアの方舟の伝説、あるいはイエス・キリストの物語。そして、厳しい自然の中でブドウを育んだ大地の力。それらに思いを馳せながら、香り、音、味わいを五感で感じ取る。
そうして「見立て」て飲むことで、孤独感や不安が消え、大いなるものとの繋がりを感じることができるはずです。
佐藤:
このアルリアワインは、開栓してからも味が落ちにくく、むしろ1週間ほどかけて味の変化を楽しめます。
夜、寝る前に少しずつ、一日の終わりの儀式のように、静かに味わっていただくのがおすすめです。
川嶋:
「毎日が最期の晩餐」というくらいの気持ちで、丁寧に味わう時間は贅沢ですよね。
佐藤:
白ワインにはチーズ、赤ワインには肉料理が合いますが、美味しいパンとワインがあれば、それだけで至福の時間になります。
特に赤ワインは、国際品種の基準では測れない、自然そのもののような力強さがあるので、ワイン好きの方にこそ体験していただきたいですね。

おわりに:信仰心を取り戻す
川嶋:
本日は「ワインとキリスト教」、そして「意識の変容」をテーマにお話ししました。
むすび大学が伝えたいメッセージのひとつに、「日本人が本来持っている信仰心の回復」があります。それは特定の宗教に帰依することではなく、万教に通じる根源的な祈りの心や、自然への畏敬の念を取り戻すことです。
佐藤:
ワインという入り口から、そうした精神世界に触れていただければ嬉しいですね。
川嶋:
この希少なアルリアワインは、年末の福袋企画として「ゆにわマート」で取り扱っております。2019年から2021年のヴィンテージ違いを楽しめるセットもありますので、その年ごとの自然のエネルギーの違いもぜひ味わってみてください。
佐藤:
ぜひ、ご自身の舌と心で感じてみてください。
川嶋:
それでは、今回も最後までご覧いただき、ありがとうございました。
日本をかっこよく。むすび大学でした。
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