下に文字起こしもお付けしておりますので、ぜひご覧ください。
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羽賀:あなたの心に火を灯す。こんにちは、羽賀ヒカルです。
今回は、神社チャンネル待望のゲストかと思います。YouTubeチャンネル「TOLAND VLOG」のサムさんにお越しいただきました。よろしくお願いします。
サム:よろしくお願いいたします~!
羽賀:以前、神社チャンネルで「どの方に出演していただきたいですか?」とアンケートを取った際に、トゥーランドさんが1位でした。
サム:うわ、嬉しいです。光栄です~!
羽賀:わたしたちの共通点としては、日本のことや古代史、今の日本の危機、そして少し都市伝説的なお話もしているという点かと思います。
8月に、万博の会場でフジテレビさん主催のイベントに呼んでいただいたことをきっかけに、今回のコラボが実現しました!
サム:ありがとうございます~!
羽賀:お聞きしたいことがたくさんありますし、この2人だからこそお届けできることもあるのかなと思いながら、話を進めていきたいと思います。
そもそも、「TOLAND VLOG」というチャンネルは、古代史がテーマと言ってよいのでしょうか。チャンネルのコンセプトについてお聞かせいただけますか。
サム:チャンネルコンセプトは、神話や歴史を多く扱ってはいるのですが、本当のところは「いろいろな角度から物事をみんなで見ていこうよ」というものです。
『古事記』も、角度を変えれば見え方が変わるということが、たくさんあるじゃないですか。古代史には、そういったロマンが詰まっているんです。
羽賀:ロマン番組、なんですね。
サム:はい、歴史ロマン番組です。
羽賀:歴史ロマン、いいですね。
そもそも、なぜ古代史といったテーマで発信しようと思われたんですか。
サム:じつは、僕はもともと歴史に全然詳しくなくて、学校の授業でも寝ているようなタイプでした。
大学を卒業した頃から自分でバーを経営するようになったのですが…
羽賀:なんでバーをやろうと思ったんですか?
サム:本当に、楽しく仕事がしたいだけでした(笑)
バーを経営していくうちに、経営者の方やモデルの方など、いろいろなお客様が来てくれるようになりました。
お酒を飲んで深く語り合うと、やはり心にぽっかりと穴が空いているような、悩みを抱えている方がすごく多いのだなと感じました。
そして、なんでこんな社会になってしまったのだろう、という疑問が湧いてきました。
また、当時は別に旅人が集まるバーも経営していて、そこに来る人たちの話を聞くと、世界へ行くと現地の人々は自国の歴史や思いについて、すごく熱いものを持っているそうです。
しかし、逆に日本のことを聞かれると、多くの日本人は答えられない。
どこか恥ずかしいような気持ちで帰ってくる、という話を時々耳にしたんです。
なぜ知らないのだろう、と。そういった様々な疑問が点として存在していたのですが、あるとき、それが一本の線になったんです。
『古事記』を手に取ったときでした。
インドへ行く飛行機の中で、旅のお供にと本屋さんで直感で5冊ほど選んだ中に、『古事記』がありました。
それを道中で読み、現地のホテルで旅人が集まる場所があったので、「古事記を読んでいるんだけど、めっちゃおもろくて~」と、インドで古事記の話をしたんです。
すると、それが皆さんにすごく受けまして、日本は面白いな、と感じるようになりました。
日本神話を調べていくと、そもそもこれらは戦前まで歴史として扱われていたものであり、日本の土台であったことに気づきました。
天照大御神(あまてらすおおみかみ)の子孫が神武天皇であり、その神武天皇が初代天皇になったことで日本という国ができた。
そして、今の天皇陛下まで、神話から歴史へと繋がり、現代に至るんや、と。
しかし、わたしたちはその面白い要素を強く教わることなく、むしろまったく触れられずに大人になっています。
さらに深く調べていくと、近代史や戦後のGHQ、明治維新といった段階を経て、日本の文化が変化していった原点が見えてきました。
その日本の転換点を描いたのが、やはり『古事記』や『日本書紀』といった古代史だったのです。
そこに、わたしはすっかりはまってしまい、探求が始まりました。
羽賀:なるほど。すごくよく分かります。
結局、今の日本がなぜこうなっているのかを考えると、そこまで遡ってしまいますよね。
サム:はい、行き着きました。
今の時代は、「失われた平成30年」と言われたり、親や祖父母の世代の高度経済成長期の価値観で生きている方が多いように感じます。
社会は変わらないと思っている方がすごく多くて、「いい学校入ろうよ、いい会社入ろうよ」という価値観から変わっていない。
けれども、時代はものすごく変化していますよね。
そういった全ての流れを、古代史から伝えられているように感じます。
羽賀:今お話を聞いてパッと思ったのが、まさに『ONE PIECE』の世界観で、なぜ今の世界はこうなっているのか、という謎を解くために古代史まで遡る、という。
サム:『ONE PIECE』はすごいですよね。
最初からそういうプランあったのかな、みたいな。
羽賀:完全に古代史ですよね。
サム:そうなんです。隠された歴史を知ると殺されてしまう。一族全員が滅びるほどの禁忌として扱われていますよね。
羽賀:天竜人がいて、ポーネグリフがあって…。
何のこっちゃ、と思われる方もたくさんいらっしゃるかもしれませんが(笑)
バーを経営された後、今は名古屋に拠点を移されていますよね。
それはどういったきっかけがあったのでしょうか。
サム:バーを始めてから、たくさんの違和感が生まれてきました。
日本人は元気がないな、歴史はすべて繋がっているのだな、と。
そして、日本を盛り上げたい、という気持ちになっていったのです。
そこから2025年問題というものがあります。
まさに今年ですけど、団塊の世代など人口ボリュームの多い方々が後期高齢者になり、人口も一気に減少し、医療問題などいろんな問題が出てくる、日本が変わっていく年です。
人口が減っていく中で、地方に高齢者が集中し、田舎がスカスカになっていく。
日本人が日本を盛り上げないと、これはダメなのではないか、という気持ちになり、村作りのようなことをしよう、と考えました。
その前に、もっと物質的なというか、経済のこともやらなければ、という感覚もあり、誰も手がつけていないビルをプロデュースする「ビル起こし」のようなことを始めました。
「ビルのオーナーさんが困ってるらしい」と聞き、プロデュースさせてくださいとプレゼンしたところ、名古屋にちょうどよいビルがあるからやってみないか、というお話をいただいたのです。
それで、大阪でやっていたことをぜんぶ辞めて、名古屋に移り住んで、1年半ほど家なし生活をしました。
羽賀:それは何年くらい前のことですか。
サム:2016年頃なので、10年近く前ですね。
そこでまたカフェを始めたり、イベントスペースやコワーキングスペースを作ったり、ビルの中で年間何十回もイベントを開催していました。
そこで、いま〝ゆにわ〟で活動されている、あんちゃさんだったり、小名木先生とも関わりがありました。
羽賀:YouTubeを始める前から、うちの仲間たちとのご縁があったのですね!
そこでも、日本の神話は面白い、ということを伝えるイベントをおこなっていたと。
サム:そうですね。
日本神話がおもしろいことを伝えていくと、「知らなかったです」「興味を持ちました」っていう反応もあって。
次に日本神話の矛盾みたいなところに興味が出てきて、考察が始まる、みたいな感じでした。
羽賀:なるほど…。
それでは、今回の主題ともいえる本題に入っていきたいのですが、ずばり古代史についてです。
トゥーランドさんのチャンネルでは、古代史を多種多様に取り上げられていますよね。
『竹内文書』、『宮下文書』、『富士文献』、『ホツマツタヱ』など、本当にたくさん取り上げてこられたと思います。
いわゆる「古史古伝」というものですが、それぞれに良さやポイントがあるかと思います。
大変ざっくりとした質問で申し訳ないのですが、特にこの古代史が印象的だ、あるいは古代史の中でも特にここがポイントではないか、と思われる点についてお伺いできたらと思います。
サム:『古事記』の中にも、重要なシーンがいくつかあります。
まず、日本の総氏神とされる天照大御神がいて、そこにスサノオが乗り込んでくると。
そして、どちらが正しいのかを証明するために誓約(うけひ)という占いをおこないますよね。
そこで生まれるのが、今の天皇の一族の御祖神です。
しかし、そこでは結婚はしてないんですよね。
『古事記』では、占いで神々が生まれるという、少し曖昧な描かれ方をしています。
天照大御神の子孫が今の天皇の一族に繋がるというのに、その根元の部分がぼかされているのです。
神話は歴史なのではないか、と思うようになりました。
天の岩戸伝説で、天照大御神がお隠れになってまた出てくるという話も、ただのファンタジーとして当時の人が書いたものではないのだろうな、と。
そういうところが、『古事記』や『日本書紀』の謎として残ってて。
ほかにも何個か気になることがあって、
今の『古事記』の解釈は、本居宣長(もとおりのりなが)が江戸時代に考えたものが元になっています。
しかし、もともとの原文から読み解くと、まだ違う解釈ができる部分や、韻を踏んだダブルミーニング、トリプルミーニングになっている部分も出てきます。
ある意味、江戸時代に一人の人間が作った説がベースになっているだけで、もっと自由に読み解けるものではないか、と思うのです。
羽賀:多様性がありますよね。
サム:もっというと、『古事記』『日本書紀』ができた時代背景を見ていくと、いわゆる「偽書」というものに繋がります。
僕が扱っている古史古伝は、ほぼすべてが一般的には偽書とされているものです。
羽賀:一般的にはそういわれてますよね。
しかし、偽書として片付けるには、あまりにもよくできすぎている面があるわけですよね。
『ホツマツタヱ』にしろ『先代旧事本紀』にしろ、そこまで手の込んだものを作る必要性がありません。
たしかに、江戸時代に何らかの改竄(かいざん)がされた可能性はあると思います。
ただ、ベースとなる何かがなければ、こうはならないだろう、と。
そして、それをピースとして当てはめたとき、『古事記』とも繋がってくるのではないでしょうか。
サム:まさにそのシーンが、古史古伝によって角度を変えて表現している部分があると感じています。
ぜんぶ見ていくと、どこも同じようなとこ隠しているんですよ。
だから、「本当の歴史」という土台がないと、こんなに一致しないよなと感じてます。
羽賀:天の岩戸の話が出たので、一つ掘り下げたいのが、天照大御神についてです。
『古事記』では女性として描かれていますが、『ホツマツタヱ』では男性の「アマテル神」として出てきます。
このあたりの考察について、いかがお考えでしょうか。
後篇につづく・・・