異色の組み合わせの二人が、待望の新刊『むすびのごはん』の魅力や、食と健康、そして世界の動きについて語り合います。
後編では、私たちの生活に身近な「コカ・コーラ」がテーマに。
実は薬として生まれたという意外な歴史から、現代アメリカが抱える健康問題、そして食の安全をめぐる世界の大きな動きへと話が展開します。
(前編はこちらから
👉及川幸久✕ちこ丨隠されてきた食の真実が暴かれる【後編】)
コカ・コーラの知られざる歴史と健康問題
及川: 前回、ちこさんと食べ物の話をする動画が非常に好評だったそうで。
普段ゼレンスキーとかプーチンとかの話ばかりなので珍しいですよね。
ちこ: それがじつは繋がっている、というお話がとても面白かったと評判でした。
それで、今回も食べ物の話をしようということで、わたしが「コカ・コーラ」というテーマを提案させていただきました。
及川: なぜ分かったの?と思いましたよ。
じつはコカ・コーラにはずっと問題意識を持っていたんです。
これは重要なテーマです。
ちこ: 7月16日に、トランプ元大統領がコカ・コーラ社に対して、原料をトウモロコシのシロップから、より体によいサトウキビの砂糖に変えるよう提案し、会社が同意したというニュースが流れました。
なぜそうなったのか、そして日本はどうなるのか、ぜひ及川さんにお聞きしたいと思いました。

及川: この話の背景には、僕がアメリカのアトランタにあるコカ・コーラ博物館に行った経験があるんです。
コカ・コーラはもともと19世紀に薬剤師のジョン・ペンバートンが発明したものです。
ちこ: 薬剤師さんだったんですか!
及川: 彼は南北戦争の従軍兵士で、自身の戦争体験からくる頭痛を治すために薬を調合していました。
その中で偶然できたのがコカ・コーラなんです。
最初は薬用酒で、コカの葉とコーラの実をワインに入れたものでした。
ちこ: へぇー!
及川: これが人気になったんですが、禁酒法の時代になりワインが使えなくなってしまった。
そこで困っていたところ、間違えて炭酸水を入れてみたら、ものすごく合うと気づいたんです。
これがいまのコカ・コーラの原型です。
だから最初は体によいものだったんですよ。
ちこ: なるほど。
及川: しかし、大量生産される過程で、高価な自然の原料の代わりに、安価な人工的なものに中身が変わっていきました。
これは世の中の多くのものにいえることですよね。
よいものが、大きくしようとすればするほど薄まって、まったく違うものになってしまう。
アメリカでおきている健康と食の問題
及川: そして、ちこさんがいわれたニュースに火をつけたのが、ロバート・ケネディ・ジュニアです。
彼はトランプ政権で保健福祉副長官に任命され、かねてからアメリカ人の病気の原因を調べていました。
ちこ: 肥満とか糖尿病とかですよね。
及川: そうです。
彼が指摘するアメリカの現状は深刻です。
肥満: 6歳以上の子供の5人に1人以上が肥満(1970年代から270%増)。
糖尿病: 10代の若者の4人に1人以上が糖尿病予備軍。
小児がん: 1975年以来、発生率が40%上昇。
自閉症スペクトラム: 8歳までの子供の31人に1人が影響を受けている。
うつ病: 10代のうつ病が10年間でほぼ倍増。
これだけ危機的な状況なのに、大手食品メーカーから献金を受けている政治家たちは問題を無視してきました。
そこにおかしいと声をあげつづけたのがケネディ・ジュニアなんです。
着色料の恐ろしい真実
及川: コカ・コーラがサトウキビ糖への変更を発表したというニュースは、ケネディ・ジュニアの「マハ(Make America Healthy Again)」の勝利だと称賛されています。
彼は砂糖だけでなく、合成着色料の危険性も訴えてきました。
たとえば、カップケーキの鮮やかな色は、食用着色料によるものですが、その中身は建材などに使われるものと化学的には同じなんです。
ちこ: そんなバカな、と思いますよね。
及川: 特に「赤色3号」は発がん性の危険が指摘されていました。
トランプ政権になり、ケネディ・ジュニアが政府に入ることが決まると、担当部署は政権交代の直前に、この赤色3号の使用を禁止したんです。
つまり、彼らは毒だと知っていた。
知っていて認可していたんです。
ちこ: もう、罪ですよね…。
コストを安くするために、体によくないと分かっているものを使いつづける。
作る側としては考えられません。
及川: その赤色3号、日本では「指定添加物」として合法的に使われています。
お菓子、漬物、かまぼこなどに。
アメリカで禁止されたのに、日本では「通常の仕様では安全性に問題ない」とされている。
この問題を国会で指摘したのは、わたしが知る限り賛成党の神谷代表だけです。
ちこ: 自分たちが食べるものは、自分で選択しないといけないですね。
及川: 面白いのは、トランプ大統領自身は、コーラを1日12本飲むほど、こういう添加物が入ったものが大好きなんだそうですよ(笑)。
ちこ: (笑)。
及川: 自分の好みはさておき、国民に影響があるなら変えようと動く。
そこにトランプさんのすごさがありますよね。
ケネディ・ジュニアの影響で、食品だけでなく医療の分野でも、子供にとってわるいものが次々と見直されています。
日本もこの動きに合わせるべきだと思います。
体によい「クラフトコーラ」と砂糖の話
ちこ: せっかくなので、今日はゆにわで作っている2種類の「クラフトコーラ」を及川さんに飲んでいただきたいと思います。
及川: (なつめコーラを飲んで)あ、うまい!マジでうまい。
これは生姜の味ですね。

ちこ: なつめと生姜、シナモン、クローブなどのスパイスを煮詰めた自家製シロップを使っています。
体によいコーラです。
及川: (薬膳梅麹コーラを飲んで)あ、これはまたぜんぜん味が違いますね。
すっきりしてる。
ちこ: こちらは青梅と生姜、スパイスに加えて麹も入っています。
及川: こういうのをクラフトコーラっていうんですね。
素晴らしい。
ちこ: 今日、及川さんにはゆにわで扱っている「きび砂糖」も買っていただきました。
これはわたしの師匠である北極老人がずっと使ってきたもので、精製された白砂糖と違い、ミネラルが損なわれていません。
及川: 砂糖はわるいものだという風潮がありますが、本当はよいものだったわけですね。
ちこ: 取り方の問題なんです。
精製された砂糖は中毒性が高く、生活習慣病の原因になりますが、こういう良質な砂糖を、素材の味を活かすために「適量」使うことが大事。
糖質は制限するのではなく「選択していく」ことが重要だと考えています。
及川: なるほど。
いまの加工品は砂糖が味の主役になってしまっていますが、ゆにわのコーラは夏目や梅の甘さを活かすための砂糖、という使い方なんですね。
ちこ: はい。
そういう食生活をしていると、体によくないものを食べたときにすぐに分かるようになります。
精製されたものを食べると、すぐに口内炎ができたりして、体が「不要なものを出そう」と正直に反応するんです。
ちこ: 今回は、アメリカがよい方向に変わっていこうとする動きを、コーラを通して及川さんにお話しいただきました。
わたしたちの日本もよい方向に変わっていくように、という祈りを込めて、8月11日の「むすび祭」を開催します。
ぜひ皆さんお越しください。
本日はどうもありがとうございました。
及川: ありがとうございました。

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