第2回 下線部和訳トレーニングで、どんなに低偏差値からでも成績は上がる
こんにちは。ミスターステップアップの村田です。
全4回にわたって、下線部和訳の重要性についてお伝えしていく
このシリーズ。
前回は、なぜこのトレーニングが受験勉強の要となるのか、
その全体像についてお話ししました。
今回は、これまで勉強の貯金がほとんどなかった受験生が、
成績を飛躍的に上げていくうえで、
この下線部和訳がいかに効果的であったか、
ある卒塾生のエピソードを通して具体的にお話ししたいと思います。
下線部和訳の添削中の弓場先生。
勉強の土台は「日本語力」にあった
以前、ミスターステップアップにOさんという生徒がいました。
彼女が通っていたのは、偏差値40台の高校。
同級生の半分以上は専門学校へ進学するか就職するなど、
いわゆる大学進学にはほとんど力を入れていない環境だったこともあり、
彼女自身も部活動に明け暮れる日々を送っていました。
そんな彼女が、浪人を機に当塾へ入塾し、
早速、下線部和訳のトレーニングを始めました。
しかし、彼女は最初、大きな壁にぶつかります。
それは、自分が訳して作り出した日本語が、
あまりにも稚拙(ちせつ)であるという現実でした。
自分の答案を見るたびに、
その出来なさに情けなくなり、悔しくてよく泣いていました。
何回提出しても、なかなか正解にたどり着くことができない。
日本語の助詞である「が」や「は」、「も」の使い方も、
まだおぼつかない状態だったのです。
一見、英語の勉強をしているようで、
じつは彼女がつまずいていたのは、
すべての学びの土台となる
「日本語の運用能力」でした。
この力が低いままだと、
たとえ参考書を読んだり、授業を聞いたりしても、
書かれていることや話されていることを、
本当の意味でちゃんと理解できていない可能性が高いのです。
わたしたちは、彼女がまずこの壁を越えていかない限り、
本格的な成績アップは見込めないと考えていました。
悔しさをバネに、粘り強く考え抜く思考力を養う
その悔しさをバネに、彼女はこの下線部和訳の課題に、
根気強く向き合い続けました。
最終的に提出した答案は、100枚以上にものぼります。
下線部和訳のトレーニングで大切なのは、
ただ自分で解答を見て答え合わせをすることではありません。
実際に講師に答案を見てもらい、客観的なフィードバックをもらいながら、
頭をうんうん唸らせ、考え続けることです。
そのプロセスを通して、粘り強く考え抜く本質的な思考力が培われていきます。
Oさんも、この地道な作業を繰り返す中で、
少しずつ、しかし確実に、
筋道を立てて日本語を書くことができるようになっていきました。
英語の成績が上がると、すべての教科が伸びていく
そうして、学力の土台となる日本語の力がしっかりと作られてくると、
まず、目に見えて英語の成績が伸び始めました。
そして、おどろくべきことに、その勢いは英語だけにとどまらなかったのです。
英語の成績向上と連動するように、
国語や社会といった、他の教科の成績までもがぐんぐんと伸びていきました。
最終的に彼女は、その高校からはなかなか合格者が出ることがない、
同志社女子大学に見事、合格を果たしました。
このような塾生は、ミスターステップアップにはたくさんいます。
ですから、もし学力が伸び悩んでいると感じることがあれば、
急がば回れで、まずは日本語の基礎から見つめ直してみることです。
そして、その道のりは、
信頼できる誰かに見てもらいながら進むのが理想といえます。
いかがでしたでしょうか?
第三回では、「難関大合格は、英語の構文を理解が必要」
というテーマでお伝えしていきます。