ゆにわ塾会員のみなさま、こんにちは。
パン工房『ゆきてかへらぬ』でパンを作らせていただいている、となっきーです。

今回は、わたしたち〝ゆにわ〟のパンのなかでも、特に「フランスパン」についてご紹介します。
このフランスパンは完成までに長い時間を費やし、作るのが非常にむずかしかったパンでした。その誕生の秘密をお話しします。
フランスパンの思い出
フランスパンといえば、北極老人(以下、先生)の思い出があります。
先生は受験生のころ、お腹がすくと、よくフランスパンをかじりながら勉強していたそうです。
硬いパンを噛むことが脳への刺激になり、勉強がはかどるのだとか。
そんなエピソードを聞いた『大学受験塾ミスターステップアップ』の塾生たちも、『パティスリーゆにわ』にフランスパンをよく買いに来てくれます。
先生の一番はじめのお弟子さんである亀井ジュンさん(以下、ジュンさん)によると、フランスパンは先生の食卓に料理とともに並ぶことも多かったそうです。
最高難度のフランスパン作りへ!

いまとなっては、『御食事ゆにわ』のディナーをはじめさまざまな場面で活用されている〝ゆにわ〟のフランスパン。
フランスパンは難易度が高く、工程上でほんのわずかな変化があるだけでうまく焼き上がらなくなる、きわめて繊細なパンです。
(それを、無添加でよい食材だけで作ろうとすれば、さらにむずかしくなります)
そして、プロのパン職人の方に教えていただいたものを、さらに〝ゆにわ流〟にブラッシュアップした『ゆにわのフランスパン』への、長く、たいへんな研究と挑戦の日々が始まりました。
フランスパンに使われる材料は、小麦粉、水、塩、酵母と、きわめてシンプル。
そのため、一切ごまかしがききません。だからこそ、風味が引き立つよう、ひとつひとつの材料を厳選しています。
小麦は、フランス現地では、その粉を使っているだけでパン屋の格が上がるといわれるほど最高級のフランス産小麦です。
そして、何台もの浄水器を通した〝禊(みそぎ)〟の水。さらに、先生が自ら調合比率を考案されたブレンド塩など、最高の素材を揃えました。
しかし、それだけ上質な素材を集め、教えていただいたレシピ通りに作っても、一向にうまくいきませんでした。
特にフランス産小麦は、高級であるがゆえに繊細で扱いがむずかしく、なかなか思うような食感が出せませんでした。
先生も、いろいろな本を紹介してくださり、ずっと気にかけ、応援してくださいました。
光明となった「水」の違い
そんなある日、「さて、どうしたものか」とジュンさんが思い悩んでいたときのことです。
ふとひらめいたのが〝フランスと日本の「水」の違い〟でした。
ヨーロッパの水は基本的に硬水であるのに対し、日本の水は軟水です。
軟水と硬水の違いは硬度の違い、つまり、水中に含まれるミネラル(カルシウムとマグネシウム)の量の違いなのです。
ジュンさんは水の硬度の違いに注目しました。そして、当時ちょうど『ゆにわマート』で発売された『ゆにわのミネラル』を使い、硬度を調整してみました。

すると、小麦粉の香りがふわっと引き立つようになり、一歩前進しました! まさか、材料である水の硬度が、これほどパンの風味に影響するとは。おどろきでした。
『ゆにわのミネラル』を入れて水を硬水にするというジュンさんのアイディアと、その最適な量を探る姿勢に、先生も感心されていました。
ジュンさんの情熱とチームの努力
ちなみに、わたしが本格的にパン作りに携わらせていただくようになったのは、ちょうどこのくらいのときでした。
わたしは、ジュンさんのそばについて、パン作りの過程を見せていただいていました。
じつはジュンさんは、日中は医師として働き、勤務が終わるとくずはに戻り、先生やスタッフたちの夜ごはんを作っていました。
その後、深夜からわたしたちとパン作りの研究にいそしむという、たいへんハードなスケジュールをこなされていたのです!(そして、翌日も朝から病院へ出勤されていました)
特にフランスパンの試作期間中は、試作が長引き朝方までおよぶことも多かったです。
そんな毎日を過ごすジュンさんのすさまじい体力には圧倒されるばかりでした。
「先生やスタッフたち、そして〝ゆにわ〟のパンを楽しみにしてくださっているお客様のために」。
そう言って献身的に取り組むジュンさんの姿勢は、〝ゆにわ流の生き様〟として、あるべきお手本を見せていただいたのだと思います。
そうして、パンスタッフ総出で夜な夜な研究をおこないました。
生地の作り方や成形方法など幾度となく改良を重ねた結果、ようやく現在の形にたどり着きました。
ついに完成した「ゆにわのフランスパン」

▲販売当初のフランスパン。今はさらに進化して形が変わっています。
長い研究の日々を経て、ようやく販売に至ったフランスパン。
販売直後に〝ゆにわ〟を訪れた先生のご友人であるY氏が、フランスパンを召し上がって、こう話してくださいました。
「僕は、世界中を旅してきて、フランスにもよく行ったし、
現地で美味しいフランスパンを探して、ずいぶん食べ歩いてきたけど、
〝ゆにわ〟のフランスパンを食べたら、
もう、わざわざフランスに行って探す必要はなくなったね。
だって、もう、ここにあるんだから・・(笑)」
それを聞いたジュンさんは、「ようやく〝ゆにわのフランスパン〟が完成した!」と実感されたそうです。
ただ、おいしく仕上がったからといって、油断はできません。〝繊細なパン〟であることに変わりはないからです。
わずかな環境の変化や、自分たちの状態によって、うまくいかなくなることは容易にあり得ます。
ですから、けっして現状に満足することはありません。
日々改良を重ね、いつでも初めてパンに触れるような新鮮な気持ちで、祈りを込めて作ることを忘れずにいたいです。
そして今日も、皆さまに〝光〟のパンをお届けしていきます!
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今回ご紹介したフランスパンだけでなく、〝ゆにわ〟のパンは、ひとつひとつすべてに物語があります。
それは語り尽くせないほどの物語と熱い想いが詰まっているのです。
今後も、その物語を、少しずつではありますがみなさまにお届けしていきたいと思います。
ぜひ、楽しみにしていてください!
それでは、お読みいただきありがとうございました。
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ゆにわのフランスパンは、『パティスリーゆにわ』店舗およびパン通販『ゆきてかへらぬ』にてお求めいただけます。
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