こんにちは。『大学受験塾ミスターステップアップ』塾長の村田です。
「共通テストの国語、どう対策したら…?」
「小論文が書けない…」
そんなお悩みを抱える受験生や保護者の方は多いものです。
そこで今回は、昨年度ミスターステップアップの塾生で、現在は京都府立大学に通っている後藤ななちゃんに、そのリアルな体験談を話してもらいました。
なんと、ななちゃんは入塾当初、共通テストの国語が 4割(80点) 。そこからたった1年間で、8割5分(173点)まで成績を伸ばし、見事合格を掴みました。
スポーツに打ち込み、読書経験はほぼゼロだったというななちゃんが、どのようにして難化する共通テストに対応できる、本質的な読解力・国語力を身につけたのか? その秘訣に迫ります。
衝撃のスタート!共通テスト国語4割からの挑戦
村田: ななちゃん、今日はありがとうね。早速だけど、入塾当初の国語の点数、4割(80点)だったっていうのは本当かな?
なな: はい、80点、4割でした。
村田: 正直かなり厳しいスタートだったね…。意欲的にも、少し停滞していた時期だったのかな。失礼だけど、それまで活字を読むような機会はあまりなかったのかな?
なな: そうですね。中学・高校とサッカーや陸上に打ち込んでいて、駅伝にも出場していました。なので、普段から本を読んだりすることはほとんどなく…教科書を読むか、YouTubeを見るか、という感じでした。身体を動かすことで気持ちを発散させていたのかもしれません。
なぜ今「国語力」?難化する共通テストと学びの本質
村田: 国語だけじゃなくて、最近の共通テストは全体的に思考力・読解力が問われる傾向にあるよね。特に数学なんかは、センター試験時代と比べて問題文がすごく長くなったんだ。一説には、 センター試験時の5倍の長さ になっているとも言われているよ。
こうなると、単に解法パターンを暗記しているだけ、いわば結果だけを求めるような学び方じゃ太刀打ちできない。結果が出れば頑張れるけど、出なければ止まってしまう。
それでは本当の力はつかないんだよね。問題文の内容を正確に、そして素早く理解して、その奥にある本質を感じ取る「言語処理能力」、そしてそれを支える粘り強さが不可欠なんだ。
ななちゃんも、共通テストの数学では苦労したんじゃないかな?
なな: はい、すごく苦労しました。
問題文の状況を理解するのに時間がかかりましたし、一度勘違いしてしまうと、思考が堂々巡りになって、そこから抜け出せなくなってしまうことも多かったです。
村田: 一般的な問題集の文章量と、実際の共通テストの文章量には大きなギャップがあるよね。表面的な対策だけだと、思考が空回りしてしまう。
だからこそ、根本的な読解力、言葉を通して状況を素早く察知して、物事の本質に迫る力が必要だと感じるんだ。ななちゃんは、この力を1年間でどうやって目覚めさせていったのかな?
読解力アップへの道①:語彙力は「身体」で掴む!
なな: まず、語彙力が全然足りていなかったので、 漢字の参考書を徹底的にやり込みました。 文章の中で分からない単語があると、そこで思考が止まってしまうので、それを一つずつ丁寧に解消していくことから始めました。
村田: 語彙力の強化、本当に大切だよね。言葉一つひとつが思考のツールだからね。ミスターステップアップでは、「ディクテーション(書き取り)の会」をやっています。
村田: 読み上げられた日本語の文章を、耳で聞いて、身体で感じ取って、正確に書き取る練習だよ。
これは漢字力だけじゃなくて、語彙力全体の質を高めるのにすごく効果があるんだ。単なる暗記じゃなくて、身体を通して腑に落としていく感じだね。
じつは、これは塾の創設者・南極老人の実体験に基づいているんだよ。南極老人が小学校の頃に通っていた厳しい塾では、ディクテーションのテストで 3回間違えたら退塾 、っていう厳しいルールがあったらしいんだ。でも、そのプレッシャーの中で必死で取り組むうちに漢字力が飛躍的に伸びて、その経験が大学受験の現代文を読む力にも繋がった、と。
ななちゃんのように、部活動に打ち込んできた生徒さんにとって、短期間で語彙力を効率よく高めるには、この「身体で覚える」ディクテーションはすごく有効な方法だと考えています!
読解力アップへの道②:「知的な雑談」と「ラジオ」で視野を広げる
村田: 語彙力と並んで大事にしているのが、 背景知識を広げて、知見を深めること なんだ。そのために活用しているのが、「ラジオ(塾の音声コンテンツ)」と「講師との雑談」。
これらは、単なる知識の伝達じゃなくて、思考を刺激し合う対話でもあるんだよ。
ななちゃんは通信コースにもいたけど、ラジオは聞いてたかな?
なな: はい、通信の時からも入塾してからも、毎日欠かさず聞いていました!
村田: それは素晴らしい! ラジオや雑談を通して、普段の勉強だけじゃ触れることのない多様な分野の話(近代批判、歴史、科学、哲学なんか)に触れることができる。
これらの話には、講師たちの経験や想いが込められているんだ。
それが、文章を読むときの「とっかかり」になったり、内容を深く感じ取る力を養ったりする上で、すごく重要なんだよ。
人の語彙や知識、そして視野は、付き合う人や触れる情報によって大きく変わるからね。
固定化された関係の中だけでは得られない、多様な視点や知見に触れることで、思考力が深まって、自分自身の知的好奇心も刺激される。
ななちゃん自身、何か効果を実感したことはあったかな?
なな: 武田先生のラジオは、知らない話ばかりでしたが、受験生にも理解できるように、熱意を込めて話してくださるので、 背景知識がすごく増えた と感じました。
村田: たとえば、「近代批判」っていうテーマは入試でよく出るけど、ラジオでその背景にある考え方に触れていれば、問題文への理解度が格段に上がるんだ。
以前、ラジオで話したゴッホとピカソ、あるいはニコラ・テスラとエジソンの話(これは才能があっても応援される人間性や環境がないと…っていう話だったね)が、そのまま大学入試の英語長文で出題された、なんてこともあったよ。
なな: そういった話を知っていると、思考のアンテナが立つのか、 文章がすごく読みやすくなります。
村田: そうなんだ。背景知識は、単なる情報じゃなくて、生きた知識のネットワークなんだよ。それがあると、文章に対する親近感が湧いて、内容の推測もしやすくなる。知的な話、想いのこもった話に触れる機会を増やすことは、確実に学力向上につながると思うよ。
読解力アップへの道③:映画や漫画も「学び」になる?感性で捉える読解
村田: ディクテーションや雑談に加えて、 映画や漫画といったコンテンツ も、使い方によっては深い学びのツールになるんだ。
一見、勉強とは関係ないように見えるけど、感性を磨く訓練になるんだよ。
国語ができる人ほど、じつは様々な作品世界に触れて、その空気感を深く味わっていることが多いんだ。
たとえば、ジブリ作品には「アニミズム」(物に精霊が宿る考え方)っていう現代文でよく出るテーマが流れている。
これは、すべてのものに何かが宿るっていう感覚にも通じるね。
『鬼滅の刃』は、「AI vs 人間」っていう近代的なテーマ、つまり効率や合理性だけを求める存在と人間との対比として考察することもできる。
また、小説の恋愛描写なんか、自分自身の体験だけじゃ理解しにくい内容も、映画なんかを通してその機微に触れることで、読解の助けになることがあるんだ。
以前、恋愛描写の繊細さが全く感じ取れなかった男子生徒に、おすすめの映画を見てもらって、そのあと解説したら、現代文や英語のテーマと結びつけて、感覚的に理解できるようになった、っていう事例もあったよ。
作品に描かれているテーマや空気感、対立構造、論法なんかをストックとして持っておくと、現代文の読解力は格段に向上する。
頭で理解するだけじゃなくて、心で、感性で、腑に落としていくんだね。
全科目の土台!「国語力」という本質的な力が受験を制す
村田: 結局のところ、大学受験は すべての科目が「文字情報の処理」であり、言葉による思考 なんだよ。数学にしても理科にしても、問題文に込められた意図を正確に読み解く力、つまり「国語力」っていう根源的な力がなければ始まらないんだ。
なな: 本当にそう思います。
村田: 活字を読んだ時の反応速度、語彙力、表現力といった国語力は、すべての科目の土台になる。そして、この力は一朝一夕には身につかない。だからこそ、日々の小さな積み重ね、手間暇かけることが大切なんだよ。
ただ、背景知識、つまり蓄積されたものには個人差が大きい。中学受験経験者、映画好きな人、そしてななちゃんのようなスポーツに打ち込んできた人。
それぞれスタート地点の経験や素養が違うよね。
その違いをどう捉えて、どう補って、さらに伸ばしていくかが重要なんだ。
そして、ここで培った国語力っていう本質的な力は、大学でのレポート作成やプレゼン、さらには社会に出てからのコミュニケーションにおいても、必ず役に立つ。
共通テストが思考力・読解力を重視するようになったのは、表面的な結果主義から、本質的な理解へと、学びの質を問い直す良いきっかけなのかもしれないね。
講師との雑談が学びの「とっかかり」に
村田: ななちゃん自身、1年間を振り返って、特に効果があったと感じることは何かな?
なな: じわりじわり効いていたな、と思うのは、 講師の方々との雑談 です。ラジオもそうですが、普段の会話の中で、講師の方々の話に触れることで、ふとした瞬間に「あ、これ知ってるな」と腑に落ちる感覚があって、英語や現代文を読むときに、すごく内容に入りやすくなりました。
村田: なるほど、雑談が知識や理解の「とっかかり」になっていたんだね。講師も想いを込めて話しているからね。雑談って、参考書を読むよりも、話が生きた形で伝わってきて記憶に残りやすくないかな?
なな: そう思います! その時の情景とか雰囲気、場の空気感も一緒に覚えているので、断然記憶に残りやすいです。
村田: そして、覚えた言葉を実際に使ってみることも大切だね。言葉に想いを乗せて発する練習だよ。知的な会話は脳を活性化させて、思考を刺激する。映像をただ見ているだけよりも、会話や音声を通じて考えを深める方が思考力は鍛えられると言われているんだ。
なな: 確かに、動画を見ていると、思考が停滞して、ぼーっとしてしまうことがあります。
村田: 会話は集中して相手の話の本質を感じ取ろうとしないと理解できないからね。そうした知的な刺激がある環境に身を置くことが、結果的に学力向上、そして深い学びにつながるんだと思うよ。
受験生へのメッセージ:まずは「基礎固め」で土台を築く
村田: 最後に、ななちゃんから見て、共通テスト対策で最も重要だと感じたことは何かな?
なな: 共通テストに慣れる、という意味では過去問演習もたくさんやりましたが、 やっぱり一番は「基礎固め」 だと思います。すべての土台となる力を蓄えることです。わたし自身、もう一度基礎から徹底的にやり直し、丁寧に積み重ねていったことで、だんだんと応用問題も解けるようになり、知的体力がついていったと感じています。
村田: やっぱり基礎だね!何事も土台がしっかりしていないと、その上に積み上げることはできないからね。ミスターステップアップでも、
「基礎の会」で、受験序盤での徹底した基礎固め、基礎力の養成を大事にしているんだ。手間暇を惜しまずに、ね。
そして、日々の生活の中でも、知らない言葉に出会ったら調べる、覚えた言葉を使ってみる、といった意識を持つことが大切だよ。
勉強時間以外での、こうした小さな積み重ねが、大きな力になっていくんだ。
ななちゃん、貴重なお話を本当にありがとね。
最後に
国語4割からのスタートでも、正しいアプローチで粘り強く努力を続ければ、必ず道は開けます。
共通テスト対策に悩む受験生の皆さん、是非、ななちゃんの体験談を参考に、まずは「基礎固め」で土台を築き、「知的なインプット」で視野を広げることから始めてみてください!
皆さんの学びが深まるよう、応援しています!
4月27日に東京白金にて、大学受験における国語力アップセミナーを実施します。
より深いお話をさせていただきますので、興味のある方はぜひご参加ください。